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終戦から74年

2022/05/01

「戦争は100年ぐらい前の事」という若者がいるのだとか。
という事を、妹に言ってみたら「74年も100年も変わらない」と。
うん。確かに変わらない。
昨日の事も1年前の事も変わらないように。


でも、たぶんそんな事ではないと思う。

『100年前』と『74年前』の違いは
戦争がいつ起きたことか知っているという事。戦争に興味関心があるという違い。


『100年前』は遠い昔で自分には関係がない事だが、
『74年前』は歴史であり、それがいつの事で何があったのかを知っているという事。

と、書いている私も普段は何年前か具体的に覚えている訳ではない。
この時期だから『74年前』という事を知るだけに過ぎない。毎年「何年経った?」と言っている。
体験している訳ではないから、戦争の悲惨さも知らない。

父方の祖父母は戦争体験を聞く前に亡くなったし、母方の祖父母にしても祖父はあまり語りたがらず、祖母や母の話から『トラック諸島にいて、激音で耳をやられた(耳が遠くなった)』という事を聞いているくらいだ。
祖母の経験も『奉公で東京に居たが、戦火が激しくなって地元に戻ってきた』という程度の話しか知らない。
空襲に遭遇したのかどうかは聞いた事が無いが、遠くの空襲の業火を見たという話だけは聞いた。

その程度でしかないが、母が戦争に興味関心を持っていたおかげなのか、私もファッション(興味なし)よりは戦争に興味がある。



子供の頃は今よりも戦争関係のテレビ番組も多かったように思う。
今では原爆も終戦の日もニュースで軽く話題が出る程度で、昔ほどには話題に上らない。
唯一HNKが戦争関連の番組をやっていると言ったところだろうか。
インターネットしか見ない世代にとっては『戦争なんて遠い世界』でしかないのは、とてもよく判る。


戦争の事をもっと知ろう……何てことを言う気はないし、私も語れるほど知っているとは思っていない。
けれども、『戦争が起こるメカニズム(戦争突入してしまったシステム)』は、もっと理解を深めていいのでは?と思う。


若者たちの中には『戦争なんてしたくない』と言えば、戦争は止められると思ってる人達がいるらしい。
違う。
戦時中も『戦争なんてしたくない』と思っていた人達はたくさんいたし、そう声を上げた人達もいた。
でも、彼らの声は『非国民だ!!』の一言で投獄され潰されたのだ。

それが戦争なのだという事が理解できてない事が問題なのだと思う。
戦争の悲惨さよりも、戦時中のシステムを理解した方が良い。


……。
ちょっと話はズレるが、戦争の悲惨さを伝える場合『被害者の姿』として伝えられることが多い。
けれど、兵士として前線に行くという事は誰かを殺す『加害者』という側面もある。
という事が、最近語られているような気がする。

戦争の恐ろしいところは、『自分の意思に関係なく、加害者として生きることしか出来ない』という面だと思う。日本はアジア諸国を植民地支配していた加害者だった。

戦争は殺されるからしない方が良いのではない。殺すからしない方が良いのだ。
人を人だと思えなくなり、人を踏みつぶすことが良しとされる。
そんな時代に戻ってはいけない。


……とはいえ、この先の『戦争』はシステムだけを残すのかなとも思う。そして過去の『戦争』とは、かなり違った形になるのではないのかな。
それとも私が気が付いていないだけで、戦争のシステムの中にすでにいるのかもしれないと思ってしまう時もある。

まだまだこの先も『戦後(人を殺す必要が無い世界)が続きますように』
私には願うことしか出来ない。