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避難所に行けない

2022/05/02

台風の被害のニュースや助かった人、亡くなった人のニュースで
時々「避難所に早く行っていたら助かったのに」というコメントを見かける。


……早く行っていたら?
それは『もしも』の世界でしかない。そう思ってしまうのは判る。
けれども、『避難所へ避難する』というハードルは思ったよりも高いんじゃないだろうか?とも思う。

例えば高齢者は体が不自由だ。
だからこそ、早くと言うが……だからこそ、躊躇うのだとも思う。
慣れない避難所で、上手く動く事は出来ない。
この『上手く動けない』は「別に若者のようにすたすたと歩けと言うんじゃないんだから」……と思うかもしれない。
例えば、トイレ……場所を把握してそこまでの移動も一苦労というのは想像に難くない。
慣れた家ならば、何でもない事でも慣れない場所ではかなりの苦労を伴う。
例えば、「1階は危ないので2階に移動してください」と言われても、階段を上るのもやっとな人もいる。誰かが手を貸してくれる保証はない。
動けるのだから一人で行けるだろうと思う人は沢山いるはずだ。

高齢者ではなくても、ペットがいるからいけないという声は以前から聞く。
そうではなくても、『女性一人だから、避難所へなんて怖くていけない』という声もツイッターで見た。
ものすごく共感してしまう。
見知らぬ男性と同じ空間にいる恐怖はとてもよく判る。


簡単に「避難所へ行け」というが、考えれば考えるだけ『なるべく行きたくはない』場所だと思ってしまう。
もちろん、若者にとって「避難所へ行く」事が簡単な事なのは分かる。
が、誰もが簡単に行ける場所ではない。
避難した方が良い事が判っていても、なるべくなら後回しにしたい。

避難所が一部の人にとっては『避難しやすい場所』ではないという事も、頭の隅に置いてほしいなと思ってしまう。