再び、「どろろ」を見たので、もう少し細部を詰めて書きたいなと思った。
現代リメイク版アニメは嫌いなのは、強者の強者による強者の為の物語だから。
弱者による弱者叩きの構図になってるのも、その方が強者(為政者)には都合がいいから。
という風に見ると、すごく息苦しくなった。
まずは「どろろ」の中で、気になった言葉。違和感。などを書き連ねたみた。
※アニメ「どろろが好き」という人はそのままどうぞ、好きでいいと思うのです。
個人的に気になった、気に入らなかったという点を綴っているだけです。
全く知らない人の為の「どろろ」の物語をざっくり説明。
『手足・目etc.の身体の大半を鬼神にとられた百鬼丸と、子供のどろろの旅。百鬼丸は親によって鬼神に捧げられた。どろろは親の隠し金を見つける。百鬼丸が身体を全て取り戻すまでの物語』
:気になったセリフやシーンを書き留めてみた。
3話
文字を地面に書き百鬼丸の名前だと言っている。
覚えることは可能なのか?目も見えないのに。
闘いも教えているが、どうやって必要性を教えたのか?また、見えない&痛みを感じない人間が的確に動けるのか?
下手をすれば練習相手だって叩きのめす可能性の方が大きいのでは?
別れの時に与えられたお守り(?)は、ぼんやりとした光でしか見えてない。家紋があるが、見えてない。
なのに、なぜ百鬼丸という文字は見えるのか?手を握って書いたとして、それを「文字」として認識する事は出来るのか?
寿海
「痛みを知らねば、恐れも感じぬ。切り刻み、殺し、命を奪い取る事に何のためらいも生じはしない」
「あやかしとは、人を喰らうだけのものではない。時に彼らは、人の心を惑わし、その力を貸し与えもする。人知を超えた力でもって、人に恩恵を与え、代償として人から何かを奪っていく。お前もそういう因果の中で、奴らに身体を奪われたのやも知れん」
琵琶丸 「(人を鬼に喰わせることは)地獄におちる覚悟でもなければできない事さね」
5話 子供たちに目の怪我がない。手足の欠損はあるが、顔に傷がある子はいないのは何故だろうか?
縫の方(百鬼丸の母)「私どもは国ごと小さな礎一つの上に乗っていることを、お忘れなきように…いつ崩れてもおかしくありません」
6話 琵琶丸
「赤ん坊がおもちゃを取られたら、怒って取り返すだろう。それと同じなのさ。
その上、取られたのが自分の身体とあっちゃね。(略)穴倉から出て出来たもんが、鬼だったって事にならないようにしなよ」
7話 どろろが「何て書いてあるんだ?」と看板を指して村人に聞く。
見えない距離なのか。文字を知らないのか。迷う。
蜘蛛(お萩)が人を殺してないのは、妖・化け物ではあるが鬼神ではないから?
百鬼丸も結局は殺そうとはしない。妖は赤く見える…という話だったけど、殺意がなければ赤ではなくなるのか?
10話
多宝丸 「山は緑が濃く、泉は水に溢れ、水田は稲で満ちている。これが醍醐の土地だ。だが、私が生まれる前は違ったと聞く。水害によって稲は育たず、木の根を噛んで日々の飢えをしのぐほどだったと。それをここまで立て直したのは、誰か。我が父醍醐景光だ」
11話
醍醐の国の成り立ちを劇でやっている。鬼神を醍醐景光が討ち倒した。
琵琶丸「あんた人を殺めたね。せいぜい、気をつけな」(百鬼丸に対して)
12話
醍醐の兵(?)「観世音菩薩の加護がある」
どろろ「番門についているのは鬼神だろ?朝倉の兵が言ってた化け物の国だって」
醍醐「度重なる飢饉。流行病・天変地異・それに付けこむ周辺諸国。もはや風前の灯火だったこの国を、鬼神との約定が救ったのだ。この国の豊かさを喜ばぬ民はおらん」
多宝丸「民のためとは名ばかり、その実は父上の野望の為ではございませんか」
醍醐「領主の意はすなわち民の意ぞ。その為に犠牲にしたのは他でもない我が子。領主として何ら恥じる事はない」
醍醐「その兄のために国を差し出すか。何の痛みも背負わず、ただ己の善良さのために再び民を地獄に突き落とすか。その覚悟なら、あの地獄堂へ行け。行って我が鬼神との約定を破ってみせよ。さすれば兄の身体は戻るであろう。国は滅ぼうともな」
陸奥「幸いにして、我らはそれに答える立場にありませぬ」
多宝丸「あなたに父上がした事、私は正しいとは思いません。生まれてくる我が子を鬼神に食わせ、見返りに国の繁栄を願うなど(略)しかし、そこまでしても守らなければならぬのが国。兄上、いま、鬼神との約定を反故にすれば国は滅びます。今や国を脅かす兄上こそ、この国にとっての鬼神」
縫の方「百鬼丸。さぞ恨みに思うでしょう。あの日、何としてでもあなたを守れなかった母を。そなたを鬼神に食わせた父上を。そなたの犠牲の犠牲の上でのうのうと暮らす我ら醍醐の民を。
百鬼丸。許してください。わたくしは……わたくしは、そなたを救えませぬ。どれほど人の道に劣るとも、そなたの苦しみを知っていても、それでも我が国はそなたに許しを請うしかありませぬ。我が国は修羅となってそなたを食い続けるのみ」
14話
琵琶丸「金を見つけて遊ぶも良し、新たな国を築くもよし、誰も知らない異国へ行くっていうのも悪かないね。ここらで、ちょっくら考えるといいさ。ま。お前さんがどうしても、失くした体と引き換えに、醍醐の国を滅ぼしたいってんなら別だけどね」
琵琶丸「鬼神の何匹か切ったところで、世の中、なんにも変わりはしないよ」
15話
鯖目「討たせはせぬ。あやつら(あやかし)も私が守らねばならぬ民なのだ」
百鬼丸「お前が何を守ろうと関係ない。俺は切る。切って取り戻す。全部」
どろろ「そんなのってあるかよ。里のため……そんなの」(寺の子供達があやかしに殺される過去のシーンを見て泣きながら)
どろろ「おいらたちが来たから、この村はこんな……」(村は焼け、子供が泣いている)
百鬼丸「関係ない」
どろろ「兄貴は鬼神を殺せばそれでいいんだろ。答えてくれよ。こんなの。やっぱおかしいよ。これじゃ、あにきも同じになっちまう」
17話
百鬼丸「あれがいる。あれがほしい」
寿海「できぬ。新しい脚はやれぬ。お前はまた、鬼神との戦いに行くだろう。鬼神を倒し、身体を取り戻し、そして、お前に載っている国は……いや。それは領主であるお前の父が責めを負えばよいことだ。確かにお前は、姿は人に近づいたのかもしれん。だが、その実、人から遠ざかってはおらぬか。その様子、お前が殺めてきたのは、あやかしだけではあるまい。わしにはわかる」
寿海「新しい義足は、お前をまた地獄へ近づけるだけだろう。わしには出来ん」
百鬼丸「おれは、ほしい」
寿海「すまぬ」
百鬼丸「なぜ」
寿海「わしは、お前を救えぬ。救えぬ」
百鬼丸「なぜ?俺のものだ。だから、鬼神は全部、殺す」
寿海「確かにお前の身体は、お前のものだ。取り戻すのに、理由は要らぬ。しかし殺すのは、鬼神や妖だけではすむまい。お前の父、母、そして弟も、醍醐の民もお前の邪魔をするだろう。そうなれば、お前の取り戻す身体は、人の血にまみれたものになる。それは義手や義足よりも重い。その時、お前は人でありえるのか。少なくとも、お前の傍にあるのは屍だけになりはせぬか。この世にお前ひとりだけに」
百鬼丸「ひとり」
寿海「わしにはそれが……」
百鬼丸「違う。いる」
寿海「百鬼丸。お前にとってワシもまた、鬼神の一人なのかもしれんな」
寿海「お前に殺す以外の存在がある。もしかしたら、そのものがお前を人に止めてくれるやもしれん」
18話
陸奥「若は醍醐の国の後継。民の命と国の行く末、そのすべてを背負っておられる。覚悟が違うのだ」
百鬼丸「なぜ、俺を殺す」
陸奥「貴様が生きているだけで、醍醐の国は厄災に見舞われ続ける。貴様は醍醐の国の敵だ」
百鬼丸「てき……敵。お前たちは俺の」
21話
縫の方「今の百鬼丸は、とりあげられた玩具を泣いて取り戻しに来る幼子のようなもの。きっと誰の言葉も届かないでしょう。そして、それは醍醐のため、修羅の化身となろうとする多宝丸も同じ。領主の妻か、子を持つ母かどちらか一方であったなら、己の無力さを呪う事もなかったでしょう」
どろろ「だったら、おいらついて行ってやんねぇぞ」
百鬼丸「なぜだ。奪ったのは奴らだ」
どろろ「おいらはただ、あにきがあにきじゃなくなっちまうのが嫌なんだ。怖いんだよ」
百鬼丸「なぜ、俺じゃなくなる。俺の手で触る。俺の目で見る。俺も感じる。どろろと同じに」
22話
若者1「戦のためにたくわえを取られたり、流行病が出たって村を焼き払われたり、どこにも行くところがなくて、こうして身を寄せ合っているってわけよ」
若者2「醍醐景光とて、民が憎くてした事ではあるまい。国を守るため、彼なりに考えた上での行動だ」
若者1「同舟はすぐ悟ったような事を言いやがる。俺はあの奥方にだってガツンと言ってやりたいんだ」咎める声。
「わかってる。けどよ。このままじゃ。俺たちあんまりみじめじゃねぇかよ。侍どもの都合で、俺たちいっつも振り回される。たまんねぇよな」
縫の方
「限りなく愛しいと思いました」「私はただ、あの子に会いたかっただけ」
23話
百鬼丸「これは俺のだ」
多宝丸「違う。今やこれは醍醐のもの。そして、醍醐の手足。もがれては、国は立ち行かん。いや。すでに揺らいでいる。貴様が鬼神との約定を破ったせいで、もはや、猶予はない。民のため、貴様の全てを醍醐の血肉といたす」
百鬼丸「勝手を言うな」
百鬼丸「これが俺の手。俺のだ。なぜ、皆、邪魔をする。人、人とは何だ。俺は。違う。俺のものだ。俺が取り戻す。それがなぜ悪い」
若者「さっきから、聞いてる話じゃ。その百鬼丸ってのが鬼神から身体を取り返したってんで、この国はおかしくなっちまったんだよな。」
どろろ「だから、なんだよ」
若者「え。いや、まぁ。つまり、また、鬼神に身体を渡せば……」
どろろ「なんだと、このやろう。お前ら、今度はお前らが、あにきを食い物にする気かよ。
あにきがどんなに苦労して、身体を取り戻したと思ってんだ。お前らだって、散々ひどい目にあってきたじゃねぇか。なのに、他の人間を酷い目に合わせても平気なのか」
縫の方「何者かに頼って築く平安はもろい。それが骨身にしみてわかりました。この銃数年続いた。我が国の繁栄。それは、百鬼丸ただ一人の犠牲でもたらされたもの。わたくしたちは、親にエサを貰うひな鳥のようなものただ口を開け、食らっていただけにすぎませぬ。自らの手で掴まなかったものは、守る事もまた出来ぬ」
どろろ「守りたいもんがあるなら、欲しいもんがあるなら、あにきみたい自分の手で地べた這いつくばったって掴まなきゃなんねえんだ。その為には強くなんなきゃ。力をつけるんだ。自分が」
琵琶丸「力を求めていきつく先は、修羅鬼神かもしれないよ。と言って、力を持たず、争わず、仏の道、情けの道を行けば、どちらに振り切れても人じゃなくなっちまうのさ」
縫の方「人は結局、そのはざまで、もがいていくしかないのかもしれません」
どろろ「力じゃねぇ。心もちさ。そいつがしっかりしてりゃ。鬼になんかならねぇ」
どろろ「欲しけりゃ。おいらが、目になってやる。手足になってやる。だから、鬼になっちゃダメだ。死んじゃダメだ」
24話
多宝丸「なぜ。何故外した。今の一太刀。私の首も落とせたハズ、なぜ」
百鬼丸「わからない。ただ、同じだ。お前も。お前は人だ」
若者「武士に頼らないで自分たちの力で生活を立てる。ってのは分かるし、そうしたいのは、みんな同じだけどよ。おいらたちに刀や槍は扱えない」
どろろ「違う違う。おいらが言ってるのはそんな力じゃね。
金だ。
武士の力も鬼神の力も借りねぇ。戦もしねぇ。となると残るのは、金の力しかねぇだろ」
醍醐「武将と生まれたからには、天下取りに勝る望みなどない。その為には鬼神の力に頼る事もいとわん」
百鬼丸「俺は人だ。あんたも鬼神になるな。人として生きろ」
醍醐「百鬼丸。あの日、わしがここで鬼神に縋らねば、お前がこの国を継いでいたら、ワシが望んだ醍醐の繁栄は。百鬼丸。鬼神が欲するほどの、お前のその生きる力の中に」
疑問点と考えを次の記事に書いてみた。
「どろろに思う事2」に続く