編集

薬屋のひとりごとを読んでみた。

アニメを見ていたけど、理解できそうになかったのでネット小説を読む事にした。

10話でめげた。


主人公の性格が『正義感と好奇心がある』となってるけど、なんにでも好奇心あるわけじゃないのに『好奇心がある』というのはおかしいし、正義感も「何が何でも相手の為になるならやる」っていう極端わかりやすいものではない。
何が何でもやる正義感なら『布に書いて伝える』という怪しい方法より、知った時点で大声で叫ぶとか知らしめる方法はあるわけで。正義感って『後先考えずにただ、相手の為に動く』事だと思ってたんだけど。この猫猫が『正義感ある』なら、他の物語のキャラクターの大半が正義感を持ってる事になる。

『この作品の他のキャラよりは正義感と好奇心(毒限定)がある』っていう話が、言葉が雑なせいでキャラ設定もおかしくなってる。これ鬼滅の時も思ったけど、『自画自賛のように主人公の性格をよい風に言う』のって何なのかな。
文字(セリフ)で全て表してくれないとわからない人たちが一定数いるというのはわかるけど、たぶんその『文字で全て言ってくれ』という層に受けるというのは分かる。


設定だけでなく、物語も雑。
シーンがぶつ切りで、『この設定ならこうなるの読者なら分かるよね』という押し付けで話が進む。
いきなり媚薬を作る事になるのも、後宮で帝の寵愛を受ける女たちがいるんだからそれを求めて当たり前だよねという前提で、説明がない。説明というか、『なぜ媚薬を作る事になったのか』が『女が求めたから』という雑設定。
いや。どこの馬の骨ともわからん下女が作った薬を帝に飲ませようとするとか、危機意識ない女が寵姫なのヤバいぞ。この国、さっさと傾国するんじゃね?と、私は思ってしまうんだけど。
その前に、『攫われた女を後宮に入れる』っていうのもヤバい設定だと思う。帝も出入りする場所に得体のしれない人間入れる国って大丈夫なのか?
でもその辺りは物語としては『あり』な範囲なのかな。

でも、他にも『実は他の女官は主人公を思いやって用事を言いつけなかった』という説明があるけど……それね。物語のセオリーで言うなら『言わない事で起こるトラブル』を書いて『実は相手はこう思っていた』って暴露するもので、地の文で『実は~』って読者にとってはどうでもいいことでしかない。
さらにこれ、主人公自身も『用事がなくて楽~』ぐらいの感覚でいるので、他の女官がどう思ってるかは本当にどうでもいい。意地悪で用事を言いつけないのでも、主人公を思って用事を言いつけないのでも、『問題としてない』なら書かなくていい部分。

女官だけじゃなくて、他でもその書き方で書いてあるので『どうでもいいキャラの感情をわざわざ地の文で読まされるのって苦痛だな』と改めて思った。

個人的にはシーンのぶつ切りと、キャラが孤立していて主人公と絡まないのが致命的かなと思う。お手紙で『こんなお話が来ました』というのを主人公が読むだけでも成り立ちそう。お手紙の代わりに噂を舞いこませる機能だけの女官がいるけど……人間味ゼロでキャラではない。宦官の美形が主人公に嫌がらせをするためと権威づけに出てくるけど、これも物語に絡まない。(後からがっつり絡むらしいけど、そこまで読むのは無理だった)

雰囲気を出すために中華設定の用語がちりばめられてるけど、それだけなような気がする。
『推理もの』ということだけど、事件は話を聞いてすぐ解決できるくらい主人公がサクッと解決してしまうので読んでる読者が『推理』するような推理ものではない。
作中キャラだけが知っていて、その知識を披露するだけの物語……。それ、『知識披露モノ』って言うんじゃないかなと思う。
これが推理ものなら、その前に読んでた『バールナース』も推理ものだな。知識量半端なくて意味わからなかったもの。

知識が欲しいなら学術書とかちゃんとした知識の本を読んだ方がマシ。
それをうまく物語に組み込んで、キャラがその事件で喜怒哀楽を示して、主人公がその感情に共感嫌悪などまた別の感情を持つから物語は面白いのであって、『噂話』と『命令』で押し付けられた事件を勝手に妄想してそれが『合ってる』って。都合よすぎるだけの物語だと思うんだけど。
『初めての知識』に触れる読者たちは面白いかもしれないけど、どれもこれもいろんな作品で使われてるありきたりの知識だなと私は思った。

つまり、事件のネタも私にとっては面白くない。

謎だったアニメの話も小説では説明されてるのかも……と思って読んだら、アニメそのままな上に『深く考えないで』という作者の言葉つき。


ありがとう。読むのやめとく。深く考えて気持ち悪いと思ってしまうから。
でも、感想は意外と面白かった。注目されてるだけあって、読者は細かい事に気が付いてるなぁと思う。

新しい投稿はありません 前の投稿