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創作のゾーニングのために読んだ本のリスト。

2025/10/22

 小説表現ゾーニングのために読んだ本リストを出しておきます。正直、まだまだ足りているとは思いません。お勧め書籍がありましたらメッセージでどうぞ。
 関係するかなと思ったものを、書き出してるだけです。参考になるならないは各自で判断してください。

::子どもの人権::
 子どもの人権は大人が守るもの。国民の人権は国が守るもの。(大人向け人権の本となると差別の話が入ってしまって、純粋な『権利』の話は子供向けの方がわかりやすい。そして、子どもの人権の大半は大人が持っている人権と変わらない。子どもは一部制限があり、権利を大人に委ねる部分があることが違う)

・児童書「子どもの権利条約ハンドブック」文:木附千晶 福田雅章
・児童書「ぎゃくたいってなあに?」著:青木智恵子
・児童書「きみの人生はきみのもの」著:谷口真由美 荻上チキ


::境界・同意・尊重・::  性教育の基本。

・絵本「からだのきもち」作:ジェイニーン・サンダース 絵:サラ・ジェニングス 訳:上田勢子
・絵本「いえるよ!NO」作:ジェニー・シモンズ 絵:クリスティン・ソラ 訳:上田勢子 堀切リエ
・「『同意』って何? YES、NOは自分が決める!」作:レイチェル・ブライアン 訳:中井はるの
・「10代で知っておきたい「同意」の話」文:ジャスティン・ハンコック 絵:ヒューシャ・マクアリー 訳:芹澤恵+高里ひろ


::性教育関連:: 境界・同意・尊重・人権を学んだら、身体に関する性の事。

・「「生理」と「セックス」を子供に正しく伝えるための本」著:宮川三代子
・「10代の妊娠」 著:にじいろ 監修:髙橋幸子
・「これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン」著:太田啓子


::性教育絵本:: 子供向けだけど、大人に向けた文章が最後にある。

・絵本「あかちゃんがうまれるまで」作:遠見才希子 絵:相野谷由起
・絵本「おとなになるっていうこと」作:遠見才希子 絵:和歌山静子
・絵本「とつきとおか」文:ミランダ・ポール 絵:ジェイソン・チン 訳:川井清考 監修:堤治
・絵本「あなたがおなかのなかにいたとき」文:せきやゆうこ 絵:嶽まいこ


::差別:: 差別について学ぶ本。

・差別はたいてい悪意のない人がする 著:キム・ジヘ
・舌を抜かれる女たち 著:メアリービアード


::その他:: ポリコレについて知るために読んでみた。

・ポリコレの正体 「多様性尊重」「言葉狩り」の先にあるものは 著:福田ますみ
・日本を蝕む新・共産主義 ポリティカル・コレクトネスの欺瞞を見破る精神再武装 著:馬淵睦夫
・差別の日本史 著:塩見鮮一郎


::その他::参考になりそうだった本。

・狂信 [ブランチ・ダビディアン]の悲劇 著:ティム・マディガン 訳:浅川寿子
カルト集団の話だけど、黒人差別の歴史もざっくり書いてあって勉強になった。

・差別と日本人 著:野中広務 辛淑玉
主に政治の話だけど、部落差別についても書いてある。

+問題作とされている作品も読んでみた。 

・ノルウェイの森 作:村上春樹
性的表現があるけれど、全体的には青春の話。女性蔑視視点があるけれど、時代を考えると許容範囲。

・失楽園     作:渡辺淳一
女性蔑視に偏見と差別満載。未成年者にはお勧めしない。

・ライ麦畑でつかまえて 作:J.D.サリンジャー
その時代だったら問題作だったのだろうなと思う。現代ではさほど問題にならない表現。

・悪の教典    作:貴志祐介
未成年者にお勧めはしない。描写は過激でキャラには倫理観がない。

・金閣寺 作:三島由紀夫
性的な部分はある。けれど、作品に必要な部分が多いので問題にはならないと思う。

・花芯 作:瀬戸内寂聴
性的表現がある。女性の視点で描かれていて、当時としては斬新だったのだと思う。

・美徳の不幸 作:マルキ・ド・サド
女性蔑視が酷い。表現も過激で未成年者にはお勧めしないけれど、訳が古いので言葉の勉強としては読めるかもしれない。見かけない表現が多いので読み解きが必要。時代背景を調べる事まで出来たらベスト。(時代背景はまだ調べ中)


 時代と言葉と表現が色々と絡み合って、『作品の評価』は変わっていくもの。

 サド作品なんて当時は問題の作品だったはずだけど、今では言葉が古くて『その時代の言葉(と歴史)』を感じるようなものになっている。時代背景も少しだけしか調べることが出来てないけど、激動の時代だったからこそ、この作品が読まれたという一面もあるらしい。……作品が広まるかどうかは『運』要素が強いのかもしれない。

 失楽園ももしかしたら、百年後にはそうなるのかもしれない……百年後に残っているなら、聖書の『失楽園』の叙事詩の方だろうけど。
 名作が名作であり続けるには『時代背景と共にそれを読み解こうとする人たちがいる』からだと思う。読む人がいなくなれば、作品は忘れ去られるだけです。


《《創作小説ゾーニング目次》》